地球:海の惑星

地球がしばしば「青い惑星」と呼ばれるのには、はっきりとした理由があります。地表の大部分を水が覆っているからです。地球の外殻(地殻)の約70.8%は海に覆われており、残りの29.2%が陸地です。この広大な水の広がりは、宇宙から見て美しいだけではありません。地球が、生命が存在することが確認されている唯一の天体である主な理由のひとつでもあります。

特に注目すべきなのは、太陽系の中で、安定した液体の水が表面に存在することが知られているのが地球だけだという点です。海洋、雲、河川、氷床、地下水、水蒸気は、すべてひとつにつながった惑星規模のシステムを構成しています。これらが一体となって、気温を調節し、天気を形づくり、栄養を運び、生物が依存する環境条件を作り出しています。

地球を「海の惑星」と呼ぶのは、詩的な言い回しではなく、文字どおりの表現です。地球の表面の大半は海水で覆われており、その面積は約3億6100万平方キロメートルにも及びます。この「世界の海」は、太平洋・大西洋・インド洋・南極海・北極海といった形で区分されることが多いものの、実際にはひとつながりの巨大な塩水の塊です。

もし地球の地殻を平らにならして完全な球体にすると、できあがる全球の海は驚くほど深く、平均およそ2.7〜2.8キロメートルになります。実際の海底は決して平坦ではなく、深海平原、海山、海底火山、海溝、海底谷、海台、そして地球を取り巻くように連なる中央海嶺系など、多様な地形で構成されています。

水は地球にとってあまりに中心的な存在であるため、そのほとんどが海に蓄えられています。地球上の水のおよそ97.5%は塩分を含む海水であり、残りの2.5%だけが淡水です。そして、そのわずかな淡水の多くも湖や河川にたまっているわけではありません。

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地球の水はどこにあるのか――意外な内訳

多くの人が、淡水といえば主に川や湖、地下水に蓄えられているものを思い浮かべるかもしれません。しかし地球では、淡水の大部分は「氷」として閉じ込められています。

淡水の約68.7%は氷床や氷河の形で存在し、およそ30%が地下水です。地表の淡水はわずか約1%しかなく、その表流水が覆っているのは地球の陸地の約2.8%にすぎません。このほか、永久凍土や大気中の水蒸気、生物の体内にも少量の淡水が貯蔵されています。

だからこそ、極域の氷床はきわめて重要な存在なのです。氷床は、地下水や湖、河川、大気中の水をすべて合わせた量よりも多くの水を蓄えています。言い換えると、地球最大級の貯水庫の一部は、川となって流れているわけではなく、極地域に巨大な氷の塊として凍りついているのです。

海氷も、さらに複雑さを加えます。極域では、海面が季節的に海氷に覆われることがあり、ときには陸地や永久凍土、氷床とつながって極冠(極帽)を形成します。夏を越えて残った雪は圧縮されて氷となり、時間をかけて氷河へと成長します。氷河は自重でゆっくりと流動しながら、地形を削り、作り変えていきます。

なぜ海は液体のままでいられるのか

地球についての最大の謎のひとつは、「水があること」ではなく、「その多くが表面で液体の状態を保っていること」です。

ここで大きな役割を果たしているのが大気です。大気の主成分は窒素と酸素で、そのほかに二酸化炭素などの微量ガスが含まれています。水蒸気も広く存在しています。これらの気体は、ただ頭上に漂っているだけではなく、地球の気温をコントロールする働きをしています。

水蒸気と二酸化炭素は温室効果ガスです。温室効果ガスとは、赤外線による熱エネルギーを大気中にとどめる性質を持つ気体のことです。地球では、この「熱を閉じ込める効果」によって、地表の平均気温はおよそ14.76℃に保たれています。この気温は、通常の大気圧下で水が液体として存在できるのに十分な温かさです。

もしこうした大気の温室効果がなければ、地表の平均気温はおよそ−18℃になると考えられています。そのようなはるかに寒冷な世界では、現在のような生命はおそらく存在しえなかったでしょう。

地球の初期の歴史も、この絶妙なバランスに大きく依存していました。若い太陽は現在の約70%ほどの明るさしかなく、当時の地球は本来なら凍りついていてもおかしくありませんでしたが、温室効果ガスが熱を逃がさずにとどめたことで、海が完全に凍結するのを防いだと考えられています。つまり、地球がじゅうぶんな温かさを保てたことは、非常に長い時間スケールで、生命にとって決定的に重要だったのです。

大気――盾であり、毛布であり、水を運ぶ仕組み

地球の大気は、同時にいくつもの役割を担っています。大気は、多くの流星(隕石の小さなかけら)が地表に到達する前に燃え尽きるのを助け、オゾン層のおかげもあって有害な紫外線の大部分を遮っています。また、水蒸気を運び、雲を形成し、気温を和らげる働きもあります。

雲は地球の表面のおよそ3分の2を覆っており、その割合は陸地よりも海の上で高くなります。雲は大気中の水蒸気から生まれ、海・大気・陸・氷のあいだで水を循環させる「水循環」の一部を担っています。

海面付近の平均的な大気圧は101.325キロパスカルで、天気の変化が起こるのは主に対流圏と呼ばれる下層大気です。大気全体の質量の4分の3は、地表からおよそ11キロメートルまでの範囲に集中しています。この「活動層」では、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降し、太陽からのエネルギーが地球全体に再配分されています。

この絶え間ない空気の動きこそが、地球を「水がある惑星」であるだけでなく、「水が絶えず動き続ける惑星」にしている大きな理由です。

気候を動かすエンジン――不均一な日射

地球が受け取る太陽エネルギーは、場所によって均等ではありません。赤道付近は極域に比べて多くの太陽光を受け取り、このエネルギーの偏りが大気の大循環や海流を駆動し、それらが一体となって地球規模の気候システムを形づくっています。

要するに、「不均一な加熱」が、風と海流を動かすエンジンなのです。

大気には、赤道付近の貿易風、中緯度帯の偏西風といった大きな循環の帯が存在します。海洋もまた、熱を地球全体に運ぶ巨大な熱の貯蔵庫として働いています。水は多くの熱をため込むことができるため、海は特に沿岸地域の気候を和らげる役割を果たします。

そのため、同じ緯度にあっても、海に近い場所は内陸部に比べて、夏は涼しく冬は暖かくなりやすいのです。海は熱をゆっくり吸収し、じわじわと蓄え、そして徐々に放出しますが、陸地はそれに比べて急激に温まり、急激に冷えます。

海水温の分布が変化すると、天候にも大きな影響が及ぶことがあります。たとえばエルニーニョ・南方振動(ENSO)は、海洋の温度分布の変化によって引き起こされ、広範囲の地域の天候パターンを変えてしまう現象の一例です。

水蒸気・雲・そして生きている惑星

水循環は、地球でもっとも強力な惑星規模のシステムのひとつです。水は、とくに海から盛んに蒸発して大気中にのぼり、雲として凝結し、降水となって再び地表に戻ってきます。

降った水は、そのまま海に戻ることもあれば、土壌にしみ込み、湖にたまり、氷として凍り、あるいは河川となって陸上を流れます。地質学的な長い時間スケールで見れば、この循環は地表を侵食し、山や谷、平野などの地形を作り変える役割も果たします。

しかし、水循環は単に水を動かしているだけではありません。陸上に淡水を供給し、栄養分を運ぶことで、陸上生態系を支えています。地球の生物圏は、大気・海洋・陸地・生物同士のあいだで水が絶えず行き来することに大きく依存しているのです。

その結果として、地球は「生命」と「環境」が密接に結びついた惑星になっています。生命は時間とともに地球の大気や地表を変化させてきましたが、その一方で、海の惑星としての地球の環境があったからこそ、生命は地球上の隅々にまで広がることができました。

海と「居住可能性」

地球の海は、単に海洋生物のすみかであるだけにとどまりません。地球が「住める惑星」であることの中心的な要素なのです。

海は、多くの水生生物にとって重要な大気由来の溶存ガスの貯蔵庫として働きます。また、熱を貯蔵し再配分することで、地球全体の気候に強い影響を与えています。蒸発や雲の形成を通じて大気と結びつき、海・大気・氷・河川・湖・地下水など地球上のあらゆる水を含む「水圏(ハイドロスフィア)」の一部として機能しています。

地球表面に豊富な液体の水が存在することは、太陽系内の他の惑星と地球を分け隔てる際立った特徴として語られます。ほかの天体の中には、大気中に水蒸気が存在するものや、厚い氷の殻の下に大量の液体の水をたたえた衛星もあるかもしれません。しかし、安定した液体の水が「むき出しの表面」に存在している点で、地球は際立っています。

この単純な事実が、あらゆることを決定的に変えているのです。

動き続ける「水の惑星」

地球の海の世界は静的なものではありません。海洋の下に広がる地殻は、プレートテクトニクスによって常に動き続けている、活動的な惑星の一部です。海洋プレートは大きな盆地を形づくり、やがてマントルへと再び沈み込んでいきます。発散境界ではマントル物質が上昇して中央海嶺を形成し、収束境界では海洋プレートがほかのプレートの下に沈み込みます。

こうした内部の活動が、海底だけでなく大陸や山脈、火山、海溝などを形づくり、海の世界を地球内部の「熱エンジン」と結びつけています。

一方、地表の上空では、地球の磁場が太陽風から大気を守り、大気が宇宙空間に吹き飛ばされるのを防いでいます。この防御機能は、大気が維持されること――ひいては液体の水と生命に適した気候が保たれること――にとって重要です。

大きな視点で見た地球

地球は、単なる「岩の惑星の上に水が少し乗っている天体」ではありません。深く結びついた「海の惑星」なのです。

全球を覆う海が表面の大半を占め、大気はじゅうぶんな熱を閉じ込めて水を液体に保っています。雲や海流、風は、エネルギーと水分を地球全体に運んでいます。極域の氷床は、膨大な淡水の貯蔵庫です。海は熱を蓄え、天候を形づくり、生命を支える役割を果たしています。

この組み合わせこそが、地球を特別な存在にしています。ほんの少し寒ければ海は凍りつき、わずかに暑すぎれば海は蒸発してしまうでしょう。しかし、平均気温およそ14.76℃、保護的な大気、そしてダイナミックな気候システムを備えた地球は、きわめて稀で絶妙なバランスの上に成り立っています。

そのバランスこそが、「青い惑星」を「生きている惑星」にしているのです。

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