アフリカは、いまだに本当に巨大な野生動物が広大な景観の中を行き来している、地球上でも数少ない場所のひとつです。ライオン、ゾウ、キリン、バッファロー、ハイエナ、チーター、ワニなど、多くの大型種が、驚くほど多様なかたちで生き続けています。その大きな理由の一つが、アフリカが更新世の大型動物の大量絶滅の影響を、他の大陸に比べてあまり受けなかったことです。
「メガファウナ」とは、単純に言えばとても大きな動物のことです。更新世とは、もっとも最近の氷河期の時代を指し、世界各地で多くの巨大動物がその終わりごろに姿を消しました。そうした中で、もっとも多くのメガファウナ種を残したのがアフリカです。そのことが、特に開けた平原を行き交う大型の肉食獣や草食獣が今も数多く生息し、野生生物の密度と種類の豊富さでこの大陸が知られている理由のひとつになっています。
ただし、この「生き残りの物語」には警鐘も含まれています。アフリカは、森林破壊、砂漠化、水不足、公害、生息地の破壊、人間活動の侵出、内戦や紛争、密猟など、深刻な環境圧力にもさらされています。気候変動によってこうした問題の多くがさらに悪化すると見込まれており、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、アフリカを気候変動にもっとも脆弱な大陸だと指摘しています。
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なぜアフリカには今も大型野生動物が多いのか
アフリカは生物多様性が非常に高く、多種多様な生物種と生態系を支えています。サバンナのような開けた平原にはゾウ、キリン、ライオン、ハイエナ、チーター、バッファローなどが暮らし、熱帯雨林や「ジャングル」にはヘビや霊長類が生息し、さらにワニや両生類など水辺や水中の生き物もいます。
アフリカを特に際立たせているのは、種の数だけではありません。多くの野生動物が今も比較的自由に行き来できている点です。豊かな野生動物の個体数と、それらが移動できる広大な空間を、ここまで兼ね備えた地域はほとんどありません。多くの場所で、大型の草食動物や肉食動物は、細かく分断された小さなエリアだけでなく、私有地化されていない広い平原にもなお生息しています。
この豊かさは、はるかな過去の歴史と結びついています。アフリカは更新世の大型動物の絶滅の影響を最も受けにくかったため、他の大陸よりも多くの巨大種を残すことができました。実際、アフリカは非常に大きな動物が数多く暮らす群集を保ち続けてきましたが、多くの地域ではそうした動物の大半が失われてしまったのです。
保護区という巨大な保全ネットワーク

アフリカは広大な保全ネットワークを築いてきました。この大陸には3,000を超える保護区が存在し、その中には198の海洋保護区、50の生物圏保護区、80の湿地保護区が含まれます。
保護区とは、保全のために指定された陸域または海域のことです。海洋保護区は海や沿岸の生態系を守る場所です。湿地保護区は、湿原や氾濫原など水の豊かな環境を守ります。生物圏保護区は特に興味深い存在で、自然と人間を完全に切り離すのではなく、保全と人間利用の両立を目指している点が特徴です。
このネットワークが重要なのは、サバンナや森林から海岸線、島々に至るまで、さまざまな環境で野生生物の生息地を守る役割を果たしているからです。アフリカには広大な大陸部だけでなく、マダガスカルのような大きな島や群島も含まれており、それが生態系の豊かさをさらに高めています。
とはいえ、保護区の面積が広大であるからといって、危機が去ったわけではありません。保護地域の周辺や内部でも、土地・水・森林・野生生物への圧力は厳しく、しかも増大し続けています。
森林破壊は世界平均の2倍のペース

もっとも分かりやすい脅威の一つが、森林の大規模な喪失、つまり森林破壊です。国連環境計画(UNEP)によれば、アフリカの森林破壊は世界平均の2倍のペースで進んでいます。
数字は非常に深刻です。アフリカでは毎年400万ヘクタール以上の森林が失われており、森林・林地の約19%が「劣化」した状態にあると分類されています。土地の劣化とは、その土地の生態的な質が損なわれ、健全性や生産力が下がっている状態を意味します。
西アフリカでは、もともとの原生林のおよそ90%が失われたと推定する情報源もあります。「原生林」とは、人間による大規模な改変を受ける前の、手つかずに近い森林のことです。
マダガスカルは、とりわけ劇的な例です。人類が約2,000年前に到来して以来、もとの森林の90%以上が失われたとされています。地理的にはアフリカの一部であり、大陸有数の生物多様性ホットスポットであるマダガスカルで、これだけの森林が失われていることは、特に深刻な事態です。
問題は木が減ることだけにとどまりません。森林破壊は生物多様性を損ない、生息地を縮小させ、農業に適した「可耕地」の質も損ねます。アフリカ全体では、農地の約65%が土壌劣化の影響を受けているとされ、環境ストレスにさらに拍車をかけています。
生息地破壊の原因は一つではない

野生生物の減少は、一つの要因だけで起きているわけではありません。大規模な生息地の破壊、人口増加、密猟などが、アフリカの生物多様性と可耕地の両方を減少させています。人間活動の「侵出」も大きな要因です。これは、人々が居住地や農地、道路などを拡大し、もともと野生生物の生息地だった場所に進出していくことを指します。
内戦や社会不安は、保全体制を弱体化させ、保護活動を妨げることで状況を悪化させます。外来種、すなわち他の地域から持ち込まれた種が、在来の生物多様性を脅かしている場所もあります。
保全の必要性が広く理解されている場合でも、現実的な障害は残ります。行政上の問題、人員不足、資金不足などは、アフリカの生態系を効果的に守るうえでの大きなハードルとして指摘されています。
気候変動が危機をさらに深刻にする

アフリカはすでに、砂漠化、森林破壊、水不足、公害といった根深い環境問題に直面しています。気候変動は、これらの問題を一層激しくすることが予測されています。
砂漠化とは、肥えた土地が乾燥し、植生が失われるなどして、より砂漠に近い状態になっていくプロセスです。水不足とは、人々や農業、生態系が必要とする水への安定したアクセスが難しくなることです。こうした圧力が重なることで、野生生物の生息地は大きな打撃を受けるおそれがあります。
アフリカの脆弱性がとりわけ深刻なのは、この大陸にすでに多くの乾燥地帯と砂漠が存在するからです。アフリカは地球上でもっとも暑い大陸であり、その陸地の60%は乾燥地または砂漠です。気候は熱帯から乾燥した砂漠気候まで幅広く、その間にサバンナ、ステップ、熱帯雨林といった地域が連なっています。
このように気候が多様であることは、きわめて多彩な生態系を生み出す一方で、気温や降水パターンの変化が広範囲に及ぶ影響をもたらし得ることも意味します。IPCCがアフリカを「気候変動にもっとも脆弱な大陸」と評価していることは、この問題の緊急性の高さを物語っています。
圧力にさらされる生物多様性の大陸
アフリカの野生生物は、誇るべき成功と、きわめて危うい現実の両方を抱えています。一方では、世界でもっとも多くのメガファウナ種が今も生き残っています。他方で、それらを支える生態系の多くが、すでに大きなストレスにさらされています。
この緊張関係こそが、アフリカ環境の将来像を形づくっています。ライオン、ゾウ、チーター、キリン、バッファロー、ワニ、霊長類といった動物たちが、今なお自由に行き来する大陸でありながら、その同じアフリカで森林は急速に失われ、生息地は破壊され、気候リスクは悪化しています。
広大な保護区ネットワークは希望の光であり、保全が決して小さな取り組みではないことを示しています。しかし、圧力は広範かつ相互につながっています。土地の劣化、森林の縮小、密猟、人間活動の侵出、水資源へのストレス、公害、そして気候変動への脆弱性——これらが複雑に絡み合っているのです。
なぜアフリカの問題は世界にとっても重要なのか
アフリカの野生生物は、その美しさだけでなく、地球有数の大型動物の多様性をたたえる場所であるという点でも、世界的に重要です。この大陸は、多くの地域が失ってしまったもの——巨大な動物たちが今も景観そのものを形づくっている生態系——を、いまも現実の姿として残しています。
それだけに、アフリカの環境の行方は大陸の外にとっても重大な意味を持ちます。森林が世界平均の2倍の速さで失われ、生息地が縮小し、気候リスクがもっとも集中する大陸でその影響が強まっていくとき、その結果は決して局地的な話ではありません。地球上でもっとも豊かな生物多様性の宝庫の一つが脅かされることを意味するからです。
アフリカの巨人たちは、まだ生きています。真に問われているのは、彼らを支える生息地が、これから押し寄せる圧力に耐え抜くことができるのかどうかという点なのです。