「共和国」が本当に意味していること

共和国は、よく「国家元首として君主がいない国」と、できるだけ簡単に説明されます。こうした言い方はよく使われますが、より深い考え方を取りこぼしています。共和国は、本質的には「国家は支配者個人の私有物ではなく、公共の事柄である」という原理の上に成り立っています。

この違いは、見た目以上に重要です。共和国では、公職は本来、特定の家系に属するものではありません。国家の役職は世襲ではなく、選挙や任命によって、直接的または間接的に埋められます。統治権は、私的な権利として所有する誰かのものではなく、政治共同体に属するというのが基本的な発想です。

「共和国」という言葉の背景には、ラテン語の res publica(公共の事柄)という考え方があります。これは制度の中核をよく表しています。国というものは、皆で共有し、公的な領域で運営され、統治されるものとして扱われるのです。

ここで、世襲という要素が共和国の定義において重要になる理由が見えてきます。もし最高の地位が血筋によって継がれるなら、権力は財産に近いものに見えてきます。共和国では、そうした地位は本来、公的な手続きによって占められるべきものとされます。

とはいえ、それがそのまま「すべての共和国が同じ仕組みで動く」ことや、「現実に同じ程度に民主的である」ことを意味するわけではありません。「共和国」というラベルからは、公職がどのように正当化されているかについて重要な情報は得られますが、実際に権力がどう行使されているかのすべてまでは分かりません。

共和国と民主政は関係しているが同じではない

最も強い正当性を持つのは国民

「共和国」と「民主主義」という言葉が、まったく同じ意味であるかのように使われることがあります。両者には重なる部分がありますが、同一ではありません。

民主政(民主主義)は、市民が投票や討議によって権力を行使する制度です。これは、市民が自ら諸問題について直接投票する「直接的」な形もあれば、自分たちに代わって統治する代表者や代議員を選ぶ「間接的」な形もあります。

これに対して共和国は、国家が公共的なものであること、そして公職が世襲ではないことに焦点を当てます。共和国では、国民(もしくはそのかなりの部分)が政府に対して最高の支配権を持ち、役職は選挙で、あるいは選挙で選ばれた人々によって選任されます。

この二つが重なり合うのは明らかです。民主的な共和国は多く存在します。しかし「共和国」という言葉は、多くの人が思っているより広い概念です。モンテスキューは、すべての人が支配に参加する民主政だけでなく、一部の人だけが支配する貴族政や寡頭政も含めて、共和的な形態として扱いました。

つまり共和国は、「完全な人民支配」と同義ではありません。共和国とは、国家が私物ではなく公共のものであり、役職が世襲ではないという政治構造を指す言葉であり、その中で権力がどう配分されるかはさまざまなのです。

「王がいない」だけでは足りない理由

「共和国」と名がついても中身はいろいろ

「共和国=君主制ではない国」という通俗的な言い方は便利ではありますが、限界もあります。

君主制は、一人の人物(君主)が統治する形態です。絶対君主制では、その君主が王権に実質的な制約を受けず、単独の主権者として統治します。多くの絶対君主制は世襲制であり、この世襲性ゆえに、君主制は共和政と対比しやすいのです。

しかし共和国を単に「王様がいない」という否定形だけで定義してしまうと、共和国の中心にある肯定的な発想──「公的権威は共同体とその制度に属する」という考え方──が抜け落ちてしまいます。共和国とは、「何を欠いているか」だけでなく、「何であろうとするのか」によって理解されるべきものです。

このため、選挙や任命という仕組みがこれほど重視されるのです。共和国における公職は、本来、国家のために担われるものであり、家柄に基づく当然の権利として「所有」されるべきものではありません。

共和国で権力を握るのは誰か

共和国は「王がいなければいい」だけではない

共和国の重要な特徴の一つは、国民(あるいはそのかなりの部分)が政府に対して最高の支配権を持つという点です。この表現の中には、さまざまな制度設計が入り込める余地があります。

多くの共和国は、代表制を強く採用しています。このモデルでは、市民が公職者を選び、その人たちが法律を制定し、日々の行政を担います。代表とは、政治的な意思決定において、他者を代行するために選ばれた人物のことです。

一方で、より直接的な市民の関与の手段を備えた共和国もあります。代表を選ぶ間接的な仕組みに加えて、住民投票(レファレンダム)や国民投票、イニシアチブ(発議)、リコール(解職請求)などを通じて、市民が直接行動できるようにしている政府もあります。

レファレンダム(文脈によってはプレブシットとも呼ばれる)は、政治的な争点について人々が直接投票する仕組みです。リコールは、任期満了前に公職者を罷免する権利です。これらはすべての共和国を定義する要素ではありませんが、公的権威がどのように行使されうるかを示す具体例です。

多様な共和国のかたち

理解しておくべき大事な点は、「共和国」といっても、単一の制度モデルを指しているわけではないということです。この言葉は、実に多様な国家を含みます。

現実の共和国は、たとえば「民主共和国」「議会共和国」「半大統領制共和国」「大統領制共和国」「連邦共和国」「人民共和国」「イスラム共和国」など、さまざまな呼称で分類されます。

こうした名称は、権力の組織のされ方について、ある程度の情報を与えてくれますが、それだけで制度の実際の運用まで完全に説明できるわけではありません。政治制度は、きれいに分類しきれないことが多いのです。国が自らをどう名乗るかだけでは、制度の実像は決まりません。形式上の構造と、現実の運用が食い違うこともあるからです。

このため、政府研究の世界は、曖昧な境界やグレーゾーンに満ちています。体制の「名前」はその理想像を表す一方で、日々の現実はもっと複雑なことも少なくありません。

議会共和国・大統領制共和国・半大統領制共和国

議会共和国は、共和国がとりうる一つの形です。議院内閣制のような議会型の制度では、政府の各部門のメンバーや機能が重なり合いがちです。通常、行政と立法の結びつきが、他の制度よりも強くなります。

立法府は、主に法律の制定を担う機関です。行政府は、政策を実行し、行政を運営する部門です。

大統領制共和国は、これとは異なる仕組みです。大統領制というラベルは、主要な行政府のトップとして大統領職を中心に据えた共和国を指します。一般に、政府構造の議論では、行政府は政策を執行し行政を管理する役割を担う部門とされています。

半大統領制共和国は、議会型と大統領型の双方の要素を組み合わせ、どちらにも完全には当てはまらない構造をとります。

こうした名称は理解の助けにはなりますが、それでもなお全体像の一部にすぎません。同じく共和国を名乗りながら、実際にはきわめて異なる形で権力を配分している国同士も存在します。

連邦共和国と権力の分有

共和国は、連邦制を採用することもあります。連邦制とは、主権を中央政府と構成単位(州や地方など)との間で、憲法によって分割する政治の考え方です。

連邦制では、国家レベルと地域レベルの政府のあいだで権限が分け合われます。これはしばしば「連邦」と呼ばれます。単なる地方行政ではなく、憲法上の権限分配がポイントになります。

このことは、共和国が「誰が役職に就くか」だけでなく、「権力がどこに所在するか」も問題にしていることを意味します。連邦共和国は、統治権を中央だけに集中させるのではなく、複数のレベルに分散させる形をとるのです。

共和国を他の統治形態の中に位置づける

共和国をよりよく理解するには、それがより広い統治形態の分類の中でどこに位置するのかを見ると役に立ちます。

政治思想家たちは、古くから政府の型を分類しようとしてきました。プラトンは、貴族政・名誉政(ティモクラシー)・寡頭政・民主政・僭主政という五つの基本形を挙げました。アリストテレスは、「一人」「少数」「多数」のいずれが支配するかという観点から政府を論じました。トマス・ホッブズもまた、主権は一人に、全員からなる会議に、一部の者からなる会議のいずれかに属さねばならないと主張しました。

現代の政治学では、民主政・全体主義体制・権威主義体制と、その中間に位置する混合体制といった区分がよく用いられます。君主制は、独立したカテゴリーとして扱われることもあれば、これらと組み合わせた混合形として捉えられることもあります。

共和国は、こうした大きな分類の議論の中に位置づけられます。だからこそ、この言葉は意味のある概念でありながら、完全な説明にはなりません。共和国という語は、公的で非世襲的な公職の構造を示しますが、それぞれの政府が実際に権力をどう配分しているのか、どれだけ代表制が機能しているのか、理想と現実がどれほど一致しているかまでは言い切れないのです。

共和国を支える制度

多くの政府は、立法・行政・司法といった複数の部門に組織化されています。司法は、法律の解釈と適用を担う部門です。

これらの部門にどのように権限を割り振るかは、国ごとに異なります。権限を独立かつ並列に保つ仕組みは「権力分立」と呼ばれ、権限が重なり合う仕組みは「権力融合」と呼ばれます。

これは共和国にとっても重要です。共和国は、公職についての理念であると同時に、制度の体系でもあるからです。理論上、最終的な権利は「人民」にあるとしても、その権利がどのように具体的な行為へと翻訳されるかは、制度によって決まります。

中には、多数派支配に対して憲法による強い制限を課す共和国もあります。憲法とは、統治の原理と基本的な制度設計を定める文書です。立憲民主制では、多数派の権力は、言論の自由や結社の自由といった普遍的な権利を含みうる枠組みの中で行使されます。

「共和国」というラベルだけでは分からないこと

ここから導き出せる最も有用なポイントは、「共和国」という言葉は重要な情報は与えてくれるが、それだけですべてが分かるわけではない、ということです。

この言葉は、国家が支配者の私物ではなく公共の事柄として理解されていることを示します。国家の役職が世襲ではなく、選挙や任命によって埋められることも示します。そして、国民(もしくはそのかなりの部分)が政府に対して最高の支配権を持っているという前提も伝えます。

しかしこのラベルだけでは、権力が国内でどう分割されているのか、実際にどれほど民主的に機能しているのか、各部門がどれだけ強いのか、現実の政治がどれほど公式の原則と一致しているのか、といった点までは分かりません。

だからこそ、「共和国」は一行で定義される単純な仕組みというより、「公共の権威は王朝ではなく国民全体(ポリティ)に属する」という共通の核心によって結びついた、諸制度の「一族」として理解するのがよいのです。

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